骨格標本の作り方
キョンの骨格標本(頭骨)を作りました
僕はいろいろな動物の頭骨を持っていてガイドやプログラムでも使うのですが、今回はその作り方をちょこっと紹介しようと思います。苦手な人はスルーしてくださいね。
まずは動物の頭を入手します
多分これが普通の人には最大のハードルかと・・
道路で轢かれたものを拾ってきたり、誰かにもらったりです。
キョンはシカの仲間ですが、日本では自生しておらず外来生物として千葉などでは増えております。特定外来生物なので生体での移動は禁止されています。僕は知り合いに頭だけ送ってもらいました。
とりあえず煮て肉など剝がします
ナイフやメスで皮をむいて鍋に投入し煮ていきます。まぁめんどくさければ皮つきのまま煮込んでも大差ないです。
ある程度火が通ったら指やナイフで肉をがんがん剥がしていきます。
目や舌、咀嚼筋などどんどん剥がしては煮るを繰り返します。
この時沸騰させ過ぎると骨が痛むと言われていますので弱火でくつくつ煮てください。
ある程度取れたら・・
入れ歯洗浄剤(ポリデントなど)に漬け込みます。これらにはタンパク質分解酵素が入っているのでこのパワーで細かい筋をボロボロにやっつけてもらいます。
その後は各種ブラシや刃物、ピンセットなどを使って取っていきます。
あとは動物の種類によっては脂が結構出るので煮る以外に、アセトンや過酸化水素で脱脂することもあります。やりすぎるとぼろくなります。カメ、ブタ、ウマあたりは結構脱脂が大変でした。
その後も同じことの繰り返しです
気が済むまで細かい筋を取り続けます。
僕は大雑把な性格なのである程度で終わりになります。
最後はよく乾かします。
最初のころによくやってしまった過ちに歯をなくというものがあります。
歯は煮たり肉をとったりしている際に抜けてしまい、分からず流してしまうということがあります。
なので抜けそうな歯は早めに抜いてしまい、別に保管しておいて全て終わった段階で戻します。
煮る以外には・・
動物の大きさにもよりますが、土に埋めたり、ミールワームなどに食べさせたりなどの方法もあります。
土に埋めると色が茶色っぽくなり歯もなくなることが多いですが、ほっとけば出来ます。
煮るのに抵抗がある人はそれが良いでしょう。
ミールワームは小さな生き物にはできます。皮や固い筋などは食べないので、皮をむいた状態でミールワーム攻めにするとコウモリやネズミ、カエルなどは全身骨格標本が出来ます。
興味がある方はいろいろ試してみてください。
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