同じ種類でも葉っぱの形が違うのはなんで?
桑の葉の授業
2020年度より、新潟県にある国際自然環境アウトドア専門学校の自然ガイド環境保全学科3年生に自然解説指導演習という授業を行なっています。
先日授業の際に学生の方から桑の葉はなぜ同じ樹でもいろんな形の葉があるかという話になりました。結構面白かったのでその後自分でも調べ直したものを書いてみます。
その前に少しだけ桑の話
クワは東アジア原産で10mくらいの高さになります。カイコの幼虫はクワの葉しか食べないので、古くから人里近くにも植えられ利用され、自生しているのをヤマグワ、植えられているものノグワと呼ばれてきました。果実は6月頃黒く熟し、アンパンマンに出てくるカビルンルンみたいな実は甘く、生食の他ジャムなどにも利用されてきました。僕の通っていた保育園ではドドメ(桑の実)の歌がありました。
大きく3つのパターンがある桑の葉
桑の葉には3種類のパターンがあります。
①特に大きな切れ込みなどがなく、いわゆる普通の丸い葉っぱ
②葉っぱに切れ込みが入り2~3に分裂している葉っぱ
③②のタイプにさらに複雑な深いな切れ込みが入る葉っぱ
成長段階によって割合が変わる
どんな桑にどのタイプの葉が多いのかという調査結果がありました。
①成木である背の高い桑に多い
②若木である2メートル前後の高さの桑に多い
③幼木である1メートル程度の高さの桑に多い
とはいえ、小さい木にも①のタイプの葉がついていることもあり、もちろんその逆もあり、一本の樹に各タイプの葉が混ざってついている印象です。
どんな意味があるのかをみんなで考える
学生からは切れ込みのある葉にこんな意味があるのではないかという意見がありました。
①葉の切れ込みがあることにより、下の葉にまで光が届き、全体的に無駄なく光を利用することが出来る。
②葉の表面積を減らし、葉に光が当たりすぎることを防ぐ
僕の方からも2つ思ったことをしゃべってみました。
③風通りをよくすることにより、湿度を下げ、病気などを防ぐ
④虫食いの葉に擬態していて他の虫を敬遠させる(既に虫がいるので違うところへ行ってください)
そしてネットや手持ちの本で調べたところ、上述の説も含めてまだ明確な結論は出ていないようです。あなたはこの四つの説にどう思いますか?
結論は出ないのですが、こうやって学生と話すことは楽しいですし、僕自身も調べ直す良いきっかけをいただいていて感謝です。
またクワ以外にもヒイラギやズミなど同様に違うタイプの葉をつける樹もあるので、皆さんももしそんな樹を見かけたらぜひ観察&比較してみてください。もしかしたら新発見があるかもしれませんよ。
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