野菜のおいしい季節到来
家に帰ってきたらドアの前に夏野菜
今年はなかなか梅雨が明けずパッとしないですね。あまり山にも行けていないので山っぽくないコラムを書くことにしました。
ある日家に帰ってくると玄関に野菜が置いてありました。地方ではよくあることかもしれません。
中にはズッキーニとナスとシシトウ。
ナス科の植物
野菜も植物なのでもちろん学名もありますし、きちんと分類されています。
ナスはナス科。ズッキーニはウリ科。シシトウはナス科ですね。
ナスの仲間はインド原産とされてますが、8世紀には既に日本に入ってきており、奈良漬けなどは高位の方の食べ物だったそうです。
ナス科の植物は毒を持つものが多いです。
僕の住んでいる長野県茅野市の山の中にいくといたるところにハシリドコロという植物がたくさんあります。これもナス科で毒を持つため、シカの多いこの地域では食べ残されているのです。
神経系の毒の為食べると興奮や幻覚症状の他、体が火照り錯乱するともいわれています。経口だけじゃなく皮膚からも吸収されるため、本種を触った手で目をこすったりすると瞳孔が開いた状態になり大変です。
クレオパトラも愛用したと言われるナス科のベラドンナも瞳孔が開く症状がありましたし、引き抜くと大きな悲鳴をあげる人型のマンドレイクも瞳孔拡散の作用があるそうです。
その他のナス科の野菜たち
トマト、ジャガイモ、ホオズキ、ピーマン、パプリカ、トウガラシなどがナス科です。
ナス科は多くが毒を持っていますが、上記の野菜をみるとなんとなく納得しますよね。今でこそトマトは甘く食べやすいものが多く出回っていましたが、昔は青臭いトマトも多かった記憶があります。
とはいえ、市販されているものに関しては品種改良により毒性はほぼないので安心して食べることが出来ます。
ナス科は暑さに強く寒さにはそこまで強くないので夏に収穫時期を迎える夏野菜の代表の一つです。
一富士二鷹三茄子
初夢に見ると縁起が良いと言われている、この3つは徳川家康の駿河にある高いものを順番に並べたものだそうです。
富士山は文句なしですが、二の鷹は富士山のとなりにある愛鷹山のことです。
そして三の茄子ですが、初物の茄子の値段のことだそうです。シャレですね。比較的温暖な駿河の国では当時からおが屑の発酵熱を使い、油紙を張って今でいうビニールハウス栽培を行なっており、新春に間に合うように育てたようで、手間暇と労力をかけたナスの初物は一つ一両で取引されるほどの高級品でした。庶民はせめて夢の中で食べることが出来たら縁起が良いということでしょうか。
ナスの色素は抗酸化パワーの高いポリフェノールの一種でアントシアニン系のナスニンという色素です。皮に栄養があるので皮はむかずに食べるといいでしょう。
しかしナスニンは不安定な色素なので、ぬか漬けによって乳酸発酵をすると変色してしまいます。しかし、アントシアニン色素は金属と結合すると青色や紫色の金属塩を生じ、美しい色を発色する性質があります。その為ぬか漬けには古釘やミョウバン(アルミニウム)をいれるのです。昔の人の知恵はすごいですよね。
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