長野県 おすすめの山 ~東信編~
長野県のおすすめの山と聞かれて答えるTOP3~東信編~
長野県で山のガイドをしていると知り合った人から時々聞かれます。その人の目的や嗜好によっても変わってきますけど、あまりガンガン山をやっているわけでもなく、そこそこアクセスも良く日帰りで行ける山の中からご紹介したいと思います。
不動の第一位!!黒斑山
僕がガイドを始めたのもこの浅間山麓であり、最も多く登ったのもこの黒斑山なので思い入れが強いのを差し引いても良い山です。標高は2404mで、登山口からの標高差は430mと程よく登り甲斐もあり、往復でも3~4時間と厳しすぎず、何より山頂や稜線からの噴煙たなびく浅間山が素晴らしい山です。初夏から秋の入り口までは高山植物が咲き誇り、カラマツの紅葉や、ガトーショコラとも称される粉雪をかぶった浅間山、かなりの頻度で出現するカモシカなど四季折々楽しめるのもおすすめポイントです。高峰高原の登山口にはビジターセンターやカフェ、温泉やホテルなど降りてきてから寛げる場所もありますし、どんなお客様も満足していただける山です。
遊ぶ山の代表 日本百名山「霧ヶ峰」
深田久弥の日本百名山の中でも最もお手軽な山であろう霧ヶ峰。むしろ百名山と知らないで訪れている方も多いと思います。でもそれでもいいんです。深田久弥は日本百名山の中で霧ヶ峰をこう記しています。「妙な言い方だが、山には、登る山と遊ぶ山がある。前者は息を切らし汗を流し、ようやく頂上に辿り着いて快哉を叫ぶという風であり、後者は、歌でもうたいながら気ままに歩く。(中略)霧ヶ峰はその代表的なものの一つである。」最高峰の車山1925mからは360度のパノラマが広がり、高山植物やたくさんの野鳥、草原や湿原、緩やかに連なるピーク、数多の歩くコースなど要望に合わせてツアーが作れるのも良いところですし、エアコンの名称にも採用される心地よさは伊達じゃありません。
千曲川の源流と苔むす森の甲武信ヶ岳
甲州(山梨)、武州(埼玉)、信州(長野)の三州を分ける山で標高は2475mです。この山は二ホンジカも多く生息していて高山植物は豊富ではありませんが、その分苔むした森の雰囲気がとても良く、千曲川の最上流部に沿って心地好い水音と風を楽しみながら歩ける好きな山です。二時間半ほど登っていくと千曲川の最初の一滴に出会うこともできます。それぞれ笛吹川、荒川、千曲川の源流でもある甲武信ヶ岳ですので、山頂に落ちた雨粒の一滴は、千曲川~信濃川で日本海へ、他の一滴は荒川に下り東京湾へ、また違う一滴は笛吹川~富士川で太平洋に分かれていきます。山頂からの景色も良い日本百名山でもあります。
おすすめの山を聞くときに
もしあなたが山好きな友人におすすめの山を聞くことがあれば、「どんな山を登ったことがあるか」「どんな山が好きか」「山での楽しみは」「登山口までどうやって移動するか」「歩くペースはどれくらいか」「日帰りか」「やりたいことや見たいもの」など自分の好みや情報を伝えることも大切です。山が好きな人は基本良い人なのできっと親身に教えてくれるでしょうし、タイミングが合えば一緒に登ってくれるかもしれませんね。
長野県はとても広く山も多いので今回は東信編としましたが、次は他のエリアも紹介したいと思います。
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